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神経に起こる合併症
高血糖の状態が続くと、神経にはりめぐらされている細い血管がダメージを受けたり、神経そのものに悪い糖がたまって、
「糖尿病性神経障害」を起こします。
細い血管ほど高血糖による障害を受けやすいことが知られています。
身体を動かす運動神経よりも厚さ・寒さ・痛みなどを感じる感覚神経のほうが細く、身体の中心の神経よりも手・足の先の神経のほうが細いため、手足の指先から
痛みや
しびれの症状が起こってきます。
症状が進むと
手足の感覚がなくなります。
そのために足に傷ができたことに気付かずにいて(痛みを感じないから)
→傷からバイ菌が入ってもそのまま放置してしまい(これも痛みや感覚がないので)
→バイ菌が身体中にまわってしまうと大変なので
→足を切らなければならなくなることもあります。とても怖いことです。
また、心臓や胃などの内臓を調節する
自律神経も糖のダメージを受けやすい神経です。
神経障害が進むと脈の調節や胃の働きが悪くなります。
神経障害の治療には、神経に糖がたまらないようにする薬、神経の再生を助けるビタミンの薬や、痛みや気持ちを和らげる薬が使われます。
しかし、薬だけでは神経障害の悪化を抑えることはできません。他の合併症と同様に
血糖のコントロールがもっとも大事な治療となります。
次回は
「糖尿病の検査」についてお話しします。
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