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糖尿病の検査
糖尿病は血糖が上昇することによってさまざまな悪さが現れる病気です。
血糖が急激に上昇すれば、のどが渇く、多尿などの症状が現れますが、ゆっくりと血糖が上昇すると高血糖の状態に慣れてしまい、症状を感じないことも多いのです。
そこで、糖尿病の患者さんは定期的に検査をして自分の体の状態を知っておくことが重要です。
定期検査には
尿検査と
採血検査があります。
◆
尿検査では、
尿糖、
尿タンパク、
尿中ケトン体を調べます。
尿糖:血糖値が160〜180mg/dlを越えてくると漏れてきます。
尿タンパク:糖尿病により腎臓が悪くなると漏れてきます。
尿中ケトン体:インスリンの働きが足りない時や、身体のバランスが崩れると漏れてきます。
これらすべては
正常では(−)です。
◆
血液検査では、
血糖値、
HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)を調べます。
血糖値:採決をしたときの血糖の値です。朝食を抜いて空腹のまま検査をしたときの値を
空腹時血糖と言います。
正常値は110mg/dl以下です。食事からの時間を決めないで測定した値は
随時血糖と言います。
HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー):血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンA1cという物質を測定する検査です。検査前1〜2カ月の血糖の状態を示す指標となります。
正常値は5.8%以下です。長期的に糖尿病の治療をする上でコントロールの指標となる最も大切な検査です。
そのほかにも眼、腎臓、神経、心臓、脳血管、動脈硬化など
糖尿病の合併症に関する検査や、糖尿病とともに血圧、コレステロール、肝臓病など
肥満やメタボリック症候群に関連する検査が必要となります。
定期的に検査を受けて良好な血糖コントロールができるようにがんばりましょう!
次回は
「糖尿病の食事療法」についてお話しします。
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